会津ファン特集
こだわりと魅力が溢れる 会津の酒

日本各地、「酒処」は多数あれど、会津地方ほど“おいしい酒”に恵まれた土地はなかなかありません。なぜ「会津の酒」はうまいのか そこには 土や素材を活かし、酒造りにこだわる蔵人たちの取り組みがあるのです。

伝統を共有し、技を磨き、 高みをめざす

澄んだ空気に清らかな水、おいしい米が生まれる会津地方。豊かな自然に恵まれた土地には素晴らしい日本酒があるものです。しかし誰もががおいしいと納得する酒造りのためには、涙ぐましい取組があったのです。
福島県では10年以上の歳月をかけ、大粒で精米しやすく、吸収性が高いオリジナル酒造好適米「夢の香 」、さらに果物のような香りや優しい味わいを生み出す「うつくしま夢酵母」と、吟醸酒に適した「うつくしま煌酵母」も誕生しました。
さらに、造り手の高齢化や後継者不足が懸念されていたこともあり、福島県酒造組合を中心に酒造りの技術と知識を学ぶ「福島県清酒アカデミー職業能力開発校」が開校。ここで 3年間学んだ卒業生は、会津杜氏組合に加入し日々、お互いに切磋琢磨し、おいしい酒造りに挑戦しています。
震災では多くの酒蔵が被害を受けましたが、酒造りに情熱を注ぐ人々が手を取り合い、平成24酒造年度から5年連続金賞受賞数日本一の快挙を成し遂げることができたのです。

喜多方市 大和川酒造店

真の地酒「 酒」にこだわる、心の拠りどころ

蔵のまち喜多方にある大和川酒造店は、寛政2(1790) 年から続く蔵元です。江戸時代中期から9代に渡り、地元で育まれた米と飯豊山の伏流水を丁寧に仕込み、杜氏や蔵人の情熱を注いだ酒造りを続けています。
大和川酒造店では、酒造りに使う「夢の香 」や北国では栽培が難しい「山田錦」も、栽培から収穫、精米まですべてを一 して自社設備で行い、細心の注意を払いながら味の追求に取り組んでいます。 自社で行うことによって、その年の気候や生育状況を肌で感じながら造りだされたお酒は、米のうまみがしっかり感じられ、じんわりと胸に染み込むような、やさしく生活に寄り添う味となるのです。
平成2(1990 )年には、街なかから現在の場所に『 豊蔵』が建てられ、近代的な設備を備えながらも昔と変わらない“人の手による酒造り”という、酒造りの基本や伝統を大事にしながらも、毎年新しい味造りにチャレンジし続けています。
大和川酒造店のお酒は、あえて地酒と呼ばず「郷酒(さとざけ )」と表現するほど、真の地酒にこだわり、地元に愛され続けています。
喜多方の街なかにある「北方風土館」は、創業当時からの7つの蔵をそのままに、昔の酒造りに使用された道具が展示され、利き酒コーナーやお酒も購入できます。

古くからお酒に欠かせない道具や徳利など、当時を忍ばせるものが多数展示され、見学するだけでも楽しめます。
北方風土館ののれんをくぐれば、江戸蔵、大正蔵、昭和蔵と時代とともに大きくなった蔵の様子がわかります。

合資会社 大和川酒造店

会津若松市 末廣酒造

伝統の技術とチャレンジ精神 常に一歩先を目指す酒造

江戸時代後期、嘉永3(1850)年創業の「末廣酒造」。大正初期には日本酒製法の一つ「山廃仕込み」の祖である嘉儀 一 氏の下、醸造に取り組み、さらに酒米の契約栽培や、吟醸造りも会津でいち早く導入するなど、常に会津の酒造りをリードしてきました。
こだわりの酒造りは「会津の米」、「豊かな湧水」、「会津杜氏の技と情熱」が融合することで生み出され、時代が変わっても、脈々と受け継がれる創業当時からの「おいしいお酒を造る」という、単純明快な酒造りによって、末廣のお酒は愛され続けています。

時代は移り変わっても、蔵人のたゆまぬ努力とその信念があるからこそ、会津の風土にとけ み、人々に寄り添うお酒が造り出されています。

末廣酒造株式会社